お香とは

 

 香道は、茶道、華道、能などとともに中世に誕生して一部上流階級の贅を極めた芸道として発展してきました。なかでも香道は、希少な南アジア産の天然香木を研ぎ澄まされた感性で判別するという独自の世界を構築しました。

  嗅覚は人間の五感のひとつで、多種多様な香りを聞き分ける、あるいはある香りを追求することにより新しい感受性が生まれ、肉体的にも精神的にも種々の効用があります。最近ブームになっているアロマテラピー(香療法)もそのひとつともいえるものです。ストレス漬けの現代日本人の神経を和ませ、日本人が本来もつ精神文化をよみがえらせる効用もあるのです。

香の十徳
(一)感覚を研ぎ澄ます
(二)心身を清浄する
(三)汚れを取り除く
(四)眠気を覚ます
(五)孤独感を癒す
(六)多忙時でも心を和ます
(七)沢山あっても邪魔にならない
(八)少量でも芳香を放つ
(九)何百年をへても朽ち果てない
(十)常用しても害がない